土岐麻子 / HIGHLIGHT – The Very Best Of Toki Asako

 2017年7月リリースの土岐麻子のベストアルバムです。
時期的には2010年発表の「乱反射ガール」から2017年の前作「PINK」までの作品を集めた構成になっています。「PINK」のリリースから半年しか経っていないので、このベストアルバムは「夏」を意識した季節作品なのではと思っています。

 全部で15曲収録されていて、そのうち新曲は「STRIPE」と「FANTASY」の2曲。
いずれもしっとりした感じというよりは乾いたタイプの曲という感じ。アルバムのオープニングを飾る「STRIPE」は、土岐麻子の楽曲の中でも殊更魅力的な、飛びきりキャッチーなメロディと少し懐かしさを感じるディスコサウンドっぽさの融合が見事にハマっていて、彼女の魅力が全部詰まった名曲です。
 一方アルバムの最後を飾る「FANTASY」は、他の曲と比べるとギターが前面に出てくるシーンが多くてロック色が強い曲なのですが、実はサビのところがダンサブルになっているところがとても気に入っていて、それを土岐麻子のヴォーカルがポップな味付けにしてくれています。大げさに言ってしまえば、決して他のシンガーには真似のできない、まさに土岐ワールド、なのです。

 これ以外の曲は、過去にリリースされた曲となっているので紹介は省きますが、あまり土岐麻子さんのことを知らない方は、資生堂の「シュベリエール」のCMソングになった「Gift 〜あなたはマドンナ〜」も収録されているので是非是非聴いてみてください。
 
Tracks:
01: STRIPE
02: Fancy Time
03: 乱反射ガール
04: Gift 〜あなたはマドンナ〜
05: 熱砂の女
06: smilin’
07: Rendez-vous in ’58
08: セ・ラ・ヴィ 〜女は愛に忙しい〜
09: 僕は愛を語れない
10: Beautiful Day
11: トーキョー・ドライブ
12: BOYフロム世田谷
13: Rain Dancer
14: PINK
15: FANTASY

(Apple Music)

Stanton Moore / With You In Mind

 2017年リリースのStanton Mooreの最新作は、彼の出身地であるニューオリンズが生んだAllen Toussaintへのトリビュートアルバム。メンバーは、Stanton Moore Trioとして活動しているJames Singleton (bass)とDavid Torknowsky (piano)を核として、大好きなネヴィル・ブラザーズからシリル・ネヴィル、ニコラス・ペイトン、メイシオ・パーカーなどなど多数のゲスト。ニューオリンズ・ジャズの中でも大スターになっているStanton MooreがAllen Toussaintのトリビュートをやると言うと多くのミュージシャンが集まってくる、これがニューオリンズの魅力でもありますね。

 で、中身ですが、ここ最近の作品でも特にニューオリンズ色が強いです。音楽面では、個人的にはトロンボーン・ショーティーとメイシオ・パーカーが、ヴォーカル面ではシリル・ネヴィルとジョリーナ・キキ・チャップマンがめちゃめちゃ良いです。もちろんトリオの3名も正統派としか言いようのない演奏を聴かせてくれ、スタントン・ムーアのカチッとしたドラムプレイも見事です。「これネヴィルスじゃないの?」って感じのLifeやThe Beat、ニューオリンズらしさを感じるJava辺りを私はリピートしまくっています。

 ジャズ初級盤としてもニューオリンズ音楽初級盤としても十分に楽しめる作品で、超オススメです。
 
Tracks:
01: Here Comes The Girls
02: Life
03: Java
04: All These Things
05: Night People
06: The Beat
07: Riverboat
08: Everything I Do Gone Be Funky
09: With You In Mind
10: Southern Night

(Apple Music)

Natsu Summer / Hello, future day

 2017年リリースのNatsu Summer最新作。彼女は女性レゲエシンガーということで、2016年のデビュー以来2枚のEPをリリースしており、音楽好きの中では注目されていました。そんな彼女のデビューアルバムです。流線型のクニモンド瀧口氏がプロデュースを務めてきていて、本作も彼によるフル・プロデュースとなっています。

いかにもクニモンド流と言える、キラキラしたキーボードサウンドを中心とした、少し懐かしさを感じるリゾートサウンドとシティポップスを合わせたような心地の良いサウンド。Natsu Summerもサラリとしたリゾート感溢れるヴォーカルを聴かせてくれていまして、なかなかよろしいです。

全体のトーンとしては、やはりクニモンド瀧口氏がプロデュースを手掛けている一十三十一と雰囲気が非常に似ているという印象です。曲によっては一十三十一の作品を聴いているのかと錯覚してしまうことも。それだけクニモンド瀧口氏のプロデュースがハマっているのか、あるいはただ非常に似通った声質なのかは分からないのですが、この点が一十三十一ファンとしてはNatsu Summerらしさを出して欲しいというところでしょうか。

冒頭に「レゲエシンガー」と書きましたが、レゲエのリズムがしっかりとベーストラックになっているのは「恋のタイミング」と「街あかり」くらいで、それ以外はポップ色が強いので、レゲエアルバムとして聴くと不満が残るかもしれません。でも、少し懐かしさを感じたい人、シティポップスが好きな人、真夏の砂浜でちょっと涼しげな音楽を求めている人、そしてクニモンドワールドが大好きな人にはかなりオススメできる作品だと思います。私も暑いこの時期は結構ヘビーローテションになっています。

Tracks:
01: Hello, future day
02: 恋のタイミング
03: TA.RI.NA.I
04: メッセージ
05: 街あかり
06: その眼差しポーカーフェイス
07: 風のリビエラ
08: ふたりが隣にいること

(Apple Music)

Negicco / Negicco 2011~2017 -BEST- 2

 2017年7月20日発売。2011年にアイドル大好き嶺脇社長率いるタワーレコードが立ち上げたアイドル専門レーベル、T-Palletteの中でも群を抜いた楽曲のレベルの高さでファンを増やしてきているNegiccoのベストアルバム。
 Negiccoについては、このブログでもずっと絶賛してきているので、ベストアルバムも当然いい曲揃いであることは言うまでもありません。特にT-Pallette移籍後は一流の音楽家による楽曲の提供、Negicco自身の豊かな表現力もあって、全く飽きることもなく聴き通すことができます。
 このベストアルバムには、既発表作品の曲のほか、新曲が3曲収録。「愛は光」「ともだちがいない!」「くちびるにメロディ」の3曲ですが、この中でもKIRINJIの堀込高樹の作品である「愛は光」は超名曲。堀込氏の持つポップな感覚、Negiccoからファンに向けられている歌詞、そしてNegiccoの3人の見事過ぎるヴォーカルに間違いなく心酔してしまうでしょう。同時期に公開となったPVをみると涙が出てきてしまいます。これほどに「優しい曲」には最近出会うことがなく、この曲を聞くために購入しても良いと思います。
 Negicco入門盤としても申し分ないので、是非オススメしたい作品です。
 
Tracks:
01: 愛は光
02: Make Up Prelude [House Remix]
03: GET IT ON!
04: 恋のEXPRESS TRAIN
05: あなたとPop With You!
06: 愛のタワー・オブ・ラブ
07: アイドルばかり聴かないで
08: ときめきのヘッドライナー
09: トリプルWONDERLAND
10: サンシャイン日本海
11: 光のシュプール
12: ねぇバーディア
13: 圧倒的なスタイル – NEGIBAND ver.
14: 矛盾、はじめました。
15: さよならMusic
16: ともだちがいない!
17: くちびるにメロディ

(Apple Music)

フレンズ / ベビー誕生!

前から少し気になっていたヴォーカリスト、おかもとえみがメンバーの「フレンズ」の初めてのフルアルバムです (2017年)。
フレンズは2015年結成。メンバーは、おかもとえみ (vocal)、ひろせひろせ (vocal & Kbd)、長島涼平 (bass)、三浦太郎 (G & Chorus)、SEKIGUCHI LOUIE (Dr.) の5名。

本作品の内容なのですが、これがまた見事なポップアルバムに仕上がっています。フレンズの特徴は、男女の掛け合いがあったり男声ラップが入ったりという、言って見れば「『少しだけ』懐かしい」あの感じです(分かるかな?)。音も歌詞も比較的素直で、私のようなおじさんでも違和感なく受け入れられるタイプの音、おかもとえみのヴォーカルも伸びがあって魅力的です。
で、不思議と幸せな気分にさせてくれる曲が揃ってます。この感覚は何なのか分からないのですが、「ビビビ」「夜明けのメモリー」「そんなかんじ」はかなり中毒的に聴いてしまいます。
異色なのは、ミュージカル仕立て?の「元気 D.C.T.~プロローグ~」。お遊び感覚と言ったら怒られるかもしれないですが、この自由な感じはなかなかいいです。この曲を聴いていると、ついあの呪文が頭から離れなくなるでしょう。でも「プロローグ」っていうのが気になって。続編があるんでしょうか…。

渋谷の隣の「神泉系」ポップバンドと呼ばれているフレンズ。この「神泉系」と言うのがまたこのバンドをうまく表現していると思います。
1990年代頃から生まれてきた「渋谷系」というコトバ。渋谷は若者が溢れる場所・若者文化の情報発信地で、バブル〜90年代はちょっと小綺麗で、おしゃれで、ちょっと背伸びできる街でした。今でも若者向けのおしゃれな街かもしれないけど、当時の「背伸び感」は失われた様な気がしますよね。「背伸びしなくていい街」になってしまった。少なくとも、私にとっては「背伸びできる街」ではないです。こっちが背伸びする必要がなくない程年を取ってしまったからなのですが。
でも、渋谷から道玄坂を上ってその向こうにある神泉エリアは、当時のあの雰囲気をまだ残しているのかな、という気がするのです。
この感覚がこのバンドにも言えるんだと思います。若者らしい自由なものを残しながら、でも大人にもしっかり伝えられる感覚。これを残しながら活動して行って欲しいなと思います。
「あの時の感覚」にまた浸ってみたい方は、是非。

Tracks:
01: ビビビ
02: シンデレラガール
03: Wake Up BABY
04: DON'T STOP
05: 夜明けのメモリー
06: Thema
07: 塩と砂糖
08: 元気 D.C.T.~プロローグ~
09: そんなかんじ

(Apple Music)

聴いたアルバムの簡単なご紹介。

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