2007年初版品。知られているようで知られていない、日本の県境の成り立ちについて、主に明治初期の廃藩置県の頃以降の出来事を基に説明したものである。
正直、廃藩置県で従来の五畿七道から府県制になった後も、頻繁に県の合併・分割が行われていたのは知らなかった。帯にも書いてあるが、四国には当時高知県と愛媛県しかなかったこと。廃藩置県により3府302県もの府県が出来上がったが、半年後には3府72県にまで大幅減少したこと、石川県が日本一人口の多い県であった時期があったことなど、雑学的な知識が満載である。明治初期のこの辺の変遷を知るには非常にまとまった資料と言える。
また、私の長年の疑問であった「県境未定地」「飛び地」といった不思議なものについても、一通りの解説が具体例とともにされており、参考になった。
ただ、約200ページの書籍の中にできるだけ多くの情報を入れようとしたためか、事実のみをさっと羅列しただけで、それ以上の掘り下げが少ないような印象を受けた。もう少し突っ込んでの説明があれば、もっと興味がわいたかもしれない。
とは言っても、学問書ではなく雑学書に近い体裁であり、いろいろ参考にはなると思う。構成も、地図がふんだんに使われているので非常に分かりやすい。
たかが県境、されど県境。これは明治時代、いや江戸時代にまで遡る戦いの歴史そのものであるということを認識させてくれる本であった。









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