2009年作品。夏頃だっただろうか、iTunes Storeのフリーダウンロードで、カコイミクの “DIGIDIGI LALA”をダウンロードすることができ、それをしばらく楽しんでいた。
クロスジャンル的な曲調、何となく懐かしささえ覚えるアコースティックなアレンジ、そしてカコイミクの少しハスキーがかった魅力的なヴォーカルと、どれをとっても自分好み、ということでかなり聴き込んだ。そして購入したのがこのアルバムである。
その後しばらく経って「なるほど」と思ったのだが、本作は大橋トリオの演奏・全面プロデュース作品。大橋トリオについては以前紹介したことがあるが、私にとっても、また多くの人にとっても2009年に大ブレイクしたアーティスト。J-WAVEなんかでもかなりのヘヴィーローテーションで流れていたものだが、大橋トリオの持つ、ジャジーでリラックスした雰囲気が実にうまく彼女の持ち味にマッチしていて、とても良い。アルバムの冒頭を飾る “Ringer Finger”を聴いても実にそれが分かる。アコースティックギター、ベース、バンジョーとドラムスにカコイミクのヴォーカルが気持ちよいほどハマっている。彼女のハスキーで時折見せる艶っぽさはUAに通じるものを感じるし、アルバム全体の心地良さは、(特に初期の) リッキー・リー・ジョーンズにも通じるような気がする。決して大げさではないと思う。
合計6曲と、ミニアルバムという感じではあるが、佳曲揃い。何度聴いても飽きない、名作。
彼女の音楽を紹介してくれたiTunes Storeに感謝、感謝。彼女の作品を遡って聴くことにしよう。