八代亜紀 / 夜のアルバム

 2012年に発表されたジャズヴォーカルアルバム。もともと八代亜紀は演歌歌手としてデビューする前はクラブ歌手だったということもあり、原点に帰った作品ということができる。プロデュースは小西康陽。

フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン、クライ・ミー・ア・リバー、サマータイムのようなスタンダードを始めとして、枯葉のようにシャンソンをジャズアレンジにしたもの、スウェイのようにボサノバアレンジのもの、あるいは「五木の子守唄」「私は泣いています」のように日本の曲をアレンジしたものと、選曲は多彩。演奏はとてもシンプル。八代亜紀の、普段とは一味違った艶っぽいヴォーカルが本作の最大の魅力である。

新鮮味があるし、ヴォーカリストとしての八代亜紀の魅力は十分感じられる。また先入観もあるのか、昭和の時代に赤坂辺りのナイトクラブでブランデーグラスを片手に聴き入っているような感覚に陥るから不思議だ。まさに夜のアルバムである。

ただ、選曲のバラエティさの割にあっと驚く作品がないのがこれまた不思議。国内外の作品をうまく料理しているからこそかも知れないが、そんな新鮮さがあればもっと素晴らしい作品になっていたかも知れない。

是非第2弾、第3弾を、と期待したい。

Tracks:
01: フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン
02: クライ・ミー・ア・リヴァー
03: ジャニー・ギター
04: 五木の子守唄〜いそしぎ
05: サマータイム
06: 枯葉
07: スウェイ
08: 私は泣いています
09: ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー
10: 再会
11: ただそれだけのこと
12: 虹の彼方に

Author: tomyt

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