2025年ベストアルバム from TMR (5~1位)

皆さん、今年のベストアルバム10~6位は楽しんでいただけましたでしょうか。
まだご覧になってない方は、先にこちらの方をご覧下さい。

2025年ベストアルバム from TMR (10~6位)

ここで年間ベストアルバムのルールを改めておさらいします。

  • 対象作品の定義は、2024年12月から2025年11月までにリリース/配信開始した「アルバム」です。(ミニアルバム・EPは含む、maxiシングルは除きます)
  • いわゆる再発モノはランキングから外しました。
  • 過去作品のリミックスエディション・デラックスエディションの類もランキングから除外しました。
  • ベストアルバムや、過去に録音された未発表作品の類はランキングに含みます。
  • 順位付けは「自分がちゃんと聴いた作品」です。聴いてないものは対象外です。
  • 順位付けのポイントは、聴いた回数にある程度左右されるかもしれません。
  • つまり、これは主観的なベストアルバムですので、不満・クレームは受け付けません。賛同は大いに受け付けます!

それでは早速、5位から1位の発表です。

No.5: Ledisi / For Dinah

レディシーの最新作は、ダイナ・ワシントントリビュート作品。より一層艶やかになったレディシーのヴォーカルが堪能できました。グレゴリー・ポーターとのデュエット、”You’ve Got What It Takes” などは本当にダイナ・ワシントンとブルック・ベントンの名演を彷彿とさせる素晴らしさ、そしてエンディングを飾る “The Bitter Earth” での抑え気味のヴォーカルも見事でした。

No.4: Stephen Bishop / THIMK

スティーヴン・ビショップの20作目のスタジオ・アルバムで、かつ本作で彼はアルバムの制作を止める、すなわち事実上ラスト・アルバムとなる作品です。
手の関節炎が影響しているとのことで、確かに74歳になる彼のこと、声の方もやや枯れ気味になっているとは言え、美しいメロディメーカーとしてはまだまだ健在。本作でも弾き語り的な構成となっていますが、サウンドで心地良い風を運んでくれる作品になっています。”She’ll Always Be My Girl”、”The Money Girl” あたりが本当に素晴らしい。そして、デイヴ・グルーシンの美しいピアノ一本をバックに歌う彼のヒット曲のリメイク、 “It Might Be You” が実に良い。
アルバム制作は最後としても、ソングライティングは続けて欲しいなと思っています。
なお本作には超豪華ゲストたちも参加しています。

No.3: Branford Marsalis Quartet / Belonging

3位はブランフォード・マルサリス・カルテットのブルーノート移籍第1弾となった最新作です。この作品は、キース・ジャレットが1974年にリリースしたアルバム “Belonging” の全曲を曲順を変えずに演奏した作品です。
ピアニストのキース・ジャレットとサックス奏者のブランフォード・マルサリスという違いの他、聴くからにヨーロッパ・ジャズっぽさを感じるキース・ジャレットとは明らかに異なるブランフォード・マルサリスの解釈は新鮮で、アメリカのジャズであることを感じてしまうのは実に不思議。全6曲、いずれも聴きごたえのある演奏ばかりで、今年のジャズ・アルバムではNo.1だと思いました。

No.2: Little Feat / Strikes Up The Band

第2位はリトル・フィートの最新作です。
昨年のブルース・アルバム “Sam’s Place” から約1年空けてリリースされた本作は、前作とうって変わってアメリカ南部、ニューオリンズの音がふんだんに織り込まれた、いわばリトル・フィートらしい作品になっています。独特のリズム、そしてスライド・ギター。結成当初はローウェル・ジョージが担っていたスライド・ギターはポール・バレアが引き継いていましたが、彼の死去後正式メンバーとなった、元グレッグ・オールマン・バンドのスコット・シャラードが担当していて、豪快なプレイを聴かせてくれます。これが私にとってのリトル・フィートのイメージであって、2025年になってそんなアルバムに出会うことができて幸せでした。

No.1: Mavis Staples / Sad and Beautiful World

10代前半からファミリーヴォーカルグループ、ステイプルズ・シンガーズの一員として活動を開始したのが1950年。以来、歌手として70年以上のキャリアがあり、80代半ばになってもまだ歌い続いているメイヴィス・ステイプルズの最新作が文句なしで今年のNo.1です。
アルバム発売に先立ってリリースされた曲 “Beautiful Stranger” は、近年アメリカやフランスで発生した銃乱射事件を憂う内容になっているのですが、こういった悲しい歌詞を全て包み込んでしまうメイヴィスの包容力に感動しました。近年ここまで深い歌声の作品に出会えたことはほぼなく、重い作品のようにも思えますが、この包容力によって辛いことも全て癒されるような気がします。
なお本作にはバディ・ガイ、ボニー・レイットなども参加しています。

今年のベストアルバム10枚のご紹介は、以上です。

いかがでしたか?今年は国内アーティストの作品が2つ選ばれました。最近はどうもアイドル系でいい作品に出会うことができません。ほぼみんな同じような音楽に偏り過ぎている感があって、ユニークなアイドルっていなくなりましたね。非常に残念です。

来年もいい音楽をたくさん聴いていきたいと思います。
いい作品はこちらでもできるだけたくさん紹介していきたいと思っていますので、引き続きTomy’s Music Reviewをどうかよろしくお願いします!

引き続き、2025年のベストソング(+プレイリスト)をご紹介して2025年の仕事納めとしたいと思います。こちらの方もよろしく。


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