Bon Joviが2003年に発表したアルバム。彼らのベストアルバム、とも言えるのですが、かなり聴き応えのある作品です。
簡単に言えば再レコーディング、焼き直しものなのですが、この焼き直し方がかなり大胆。最初のトラック、おなじみの”Wanted Dead Or Alive”を聴けばすぐ解ると思います。全体的に流れる雰囲気がまるで異なっています。イントロから流れるアコースティックな曲調はオリジナルにもあるのだが、イントロの途中から入ってくる打ち込み系のドラムス、John Bon Joviのエフェクトのかかったヴォーカル。普通の焼き直しではないことが分かります。
その次の、これまたおなじみの”Livin’ On A Prayer”。オリジナルは正統派のハードロック調だが、本作のバージョンでは静かに幕を開けるバラード調。ギターもアコースティックのみ。
“Bad Medicine”、これも彼ららしいアメリカン・ハード・ロックなはずなのですが、このバージョンはスライドギターによるイントロに始まり、Johnのヴォーカルもオリジナルよりオクターブ低く、大人しい曲に仕上げている、と言った具合です。
それ以降の一連の曲も、オリジナルとは似ても似つかぬアレンジとなっていて、新曲揃いのニューアルバムと勘違いしてもおかしくないほど。
いい意味で完全に肩すかしを食うアルバムです。ありきたりの言葉で言うなら「渋い」。
すっかり大人になったバンド Bon Joviが昔を振り返りつつ今の自分たちならこういうパフォーマンスをするんだ、という風にもとれます。
私のように熱心にBon Joviを聴いていなかったアメリカン・ロック・ファンには結構楽しめるアルバムではないかと思います。
Tracks:
01: Wanted Dead Or Alive
02: Livin’ On A Prayer
03: Bad Medicine
04: It’s My Life
05: Lay Your Hands On Me
06: You Give Love A Bad Name
07: Bed Of Roses
08: Everyday
09: Born To Be My Baby
10: Keep The Faith
11: I’ll Be There For You
12: Always