1985年にリリースされた、The Winansの作品。
The Winansと言うと、たしかに今ひとつメジャーではないのかも知れませんが、アメリカのゴスペル・ミュージックではかなり知名度が高いグループです。
何と言っても、英語版Wikipediaを見ると「ザ・ワイナンズ」とは別に「ワイナンズ一家」(Winans Family) という項目があるくらいです。
https://en.wikipedia.org/wiki/Winans_family
ゴスペルをやや外れてR&B畑にクロスオーバーして活躍しているBeBe & CeCe Winansというデュオを聴いたことがあるかも知れませんが、彼らもこの「ワイナンズ一家」です。
さて話をThe Winansに戻しますが、この一家のMarvin Winans (四男)、Carvin Winans (三男)、Michael Winans (五男)、Ronald Winans (次男) の4人からなるグループです。ちなみにMarvinとCarvinは双子です。
彼らは1980年にデビューして、しばらくの間ゴスペル作品を扱うLightレコードからアルバムを発表していましたが、ゴスペルフォーマットのラジオ局での知名度が上がっていく中で、1985年には何とクインシー・ジョーンズ率いるQWestレコードと契約。本作品はQwestレーベル第1弾ということになります。
QWestということで、音楽の雰囲気はだいたいこんな感じか…と思った方も多いかも知れません。当たってます。(笑)
歌詞を聴くと間違いなくゴスペルですが、曲の感じはコンテンポラリーなR&Bと言い切ってしまっても良いでしょう。ゴスペルに興味がない方でも、R&B系のコーラス物が好きなら何の抵抗もないと思います。
参加しているミュージシャンはAbe Laboriel、Dean Parks、Leo Nocentelli、Paulinho Da Costa、そしてJames Gadsonなどなど、R&B界隈で大活躍の有名どころを揃えております。思わずうんうんと頷いてしまう面々。
歌は当然イエス・キリストのことを歌っているものが多いので、もしかしたら日本人はあんまり…ということになるかも知れません。でもここは、歌詞をじっくり聴いてみて、ゴスペルの歌詞ってこういう感じなんだということを理解してみるのも良いかも知れません。
個人的には、冒頭の”Choose Ye”(1曲目で心が洗われるようです)と、実は米ビルボード誌R&Bチャートで42位を記録したアルバムタイトルトラック “Let My People Go”の歌詞と曲が好きです。
ゴスペルとして聴くもよし、R&Bコーラス作品として聴くもよし、というアルバムです。他にもいい作品がたくさんありますので、興味がありましたら。
Tracks:
01: Choose Ye
02: Redeemed
03: Perfect Love
04: Straighten My Life Out
05: Let My People Go
06: I’ll Follow Where You Lead
07: Special Lady
08: Very Real Way