矢沢永吉 / ドアを開けろ

1977年にリリースされた、矢沢永吉がソロ転向して3作目のスタジオ録音アルバムです。

この頃、私は小学校高学年、6歳上の兄は高校生。兄はキャロルからの流れで永ちゃんが大好きで、このアルバムをよく聴いていました。小学生と高校生ではちょっと世代的に離れすぎていて、当時の高校生は普通にヤンキー度が高かったものですから、正直兄には近付きにくかった私は「兄と一緒に聴く」ということはありませんでした。

それでもこのアルバムは兄のいないときに聴いても良いという(だけど傷つけたらぶん◯る的な)許しを得ていた私は、兄の外出中によく聴いたものです。

ということで、この曲全部覚えているんです。カラオケでも全部歌えます。カラオケで歌うとすごく気分がいいんですよね。やはり、かっこいいから。

永ちゃんのロック・ヴォーカル、これに派手目のギターとブラスセクションが絡み、ベースがブイブイ言ってる「世話がやけるぜ」「あの娘と暮らせない」、同じくファンク・ベース全開の「黒く塗りつぶせ」と言ったアップテンポナンバーが本当に最高。

「苦い涙」「そっと、おやすみ」「通りすがりの恋」は永ちゃんが得意とするロッカバラード。3連リズムに乗せる永ちゃんのヴォーカル、最高です。 「燃えるサンセット」「バイ・バイ・マイ・ラヴ」は少し軽めのナンバー。 「バーボン人生」はニューオリンズ的な雰囲気のあるリラックスしたジャジーな曲で、永ちゃんの曲の中では異色ですが、途中で入るフレンチ・アコーディオンの音色がとても印象的な名曲。

そしてエンディングの「チャイナタウン」は昭和のロック歌謡ではトップクラスの超名曲と言っても良いバラード。ストリングスが効果的に使われていてブイブイベースや硬めのギターカッティング、そして永ちゃんの情感溢れるヴォーカル…。歌詞も切なくて涙が出そうになります。

こんな感じで名曲揃い。「女」「酒」「タバコ」「クルマ」と言った当時のロック要素もしっかり織り込まれていて、完成度が半端ないです。

参加ミュージシャンも、後にNOBODYを結成する相沢行夫と木原敏雄の2人の他、激しいファンクベースで暴れまくる後藤次利、ドラムスに高橋幸宏、キーボードに今井裕と言った、サディスティック・ミカ・バンド周辺の実力派ミュージシャンを揃えていて豪華。

永ちゃんのヴォーカルが最大限に生かされていて、日本のロック(歌謡)における超名盤と言って差し支えないアルバムです。

Tracks:
01: 世話がやけるぜ
02: 燃えるサンセット
03: 苦い涙
04: 黒く塗りつぶせ
05: そっと、おやすみ
06: あの娘と暮らせない
07: 通りすがりの恋
08: バイ・バイ・マイ・ラヴ
09: バーボン人生
10: チャイナタウン


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