八神純子 / ベストコレクション

 現在はL.A.だかに在住して、ずっと音楽活動を行っている八神純子のベストアルバム。多分1999年頃に発表されたベストアルバムだ。

 ご多分に漏れず、彼女の場合もいろんなベストアルバムが出ていてどれがいいのか迷うが、市場に出回っているのはこれくらいだと思うので、あまり選択肢はない。ただ本作で全盛期の彼女の作品は一通り網羅されていると思うので、よい選択だと思う。

 彼女がブレークした頃、私は小学校高学年であったが、抜群の歌唱力と高温の美しさ、大人っぽい歌詞とサンバホイッスルと、彼女に対する印象はいろいろとある。あと、私の頭の中にはなぜか名古屋出身ということもインプットされていたが、なぜ知識として持っていたのかは不明。

 それにしても名曲の多いアーティストだということが分かる。「みずいろの雨」「想い出のスクリーン」「想い出は美し過ぎて」の初期3大の完成度の高さ。これに尽きる。特に1978年の実質的なデビュー曲である「想い出は美し過ぎて」のアンニュイな雰囲気(当時はアンニュイなんて言葉は知らなかったと思うが)は「あ、大人…」と思ったものだ。

 「ポーラースター」辺りから、ちょっとポップっぽくなったなという印象があり、この時期は初期の頃ほどの入れ込みはなかったが、「Mr. ブルー」のB面だった「夏の日の恋」とかはよかったし、本格的なジャニーズ・ホリプロ系のアイドルが歌謡界を引っ張って行く中良質な音楽を提供し続けるアーティストとして貴重だったと思う。そういう意味では隠れ気味の曲も多いが、いい曲が多いのでこの辺も聴き所である。

 1点残念なのは、JALのキャンペーンソングにもなった「サマーインサマー」が未収録になっていること。これは是非入れて欲しかった。とはいえ、音楽配信レベルでは、iTunes Storeに彼女のオリジナルアルバムがリリースされているので、そこから購入すればいいのかなと思っている。

Author: tomyt

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください