Al Jarreau / Breakin’ Away

Al Jarreau / Breakin’ Away

 AORを語る上で絶対に欠かせないプロデューサーであるJay Graydonのプロデュースによる作品。前作 “This Time”よりも更にJay Graydon色が強まってきており、AORの名盤中の名盤と言って良い。1981年の作品である。

 殆どの曲でJay Graydon、Al Jarreauと名キーボーディストTom Canningがソングライティングに関わっているが、そのすべてが心地よく素晴らしい出来に仕上がっている。冒頭の2曲などはまさにこれでもかというJay Graydon的な軽快なサウンド。Tom Canningのキーボードも気持ちよく、印象的なオープニングとなっている。また、Jay Graydonの旧友でもあるDavid Fosterのピアノがきれいな必殺バラード、”Our Love”はまさに涙もの。Al Jarreauのバラードで見せる歌唱力には本当に素晴らしいものがある。ヒット曲”Breakin’ Away”でのJay Graydonの3連のリズムギター、Jerry Heyのホーンセクション、そしてAl Jarreauのロマンティックなヴォーカルもなかなか良い出来だ。

 また、カバー曲は、カントリー畑のソングライター、Roger MurrahとKeith Stegallのコンビによる”We’re In This Love Together”、変則リズムのジャズで有名なDave Brubeckの曲にAl Jarreauが歌詞をつけた “(Round, Round, Round) Blue Rondo A La Turk”、ジャズのスタンダード曲”Teach Me Tonight”の3曲。これらも完成度が非常に高い。

 ”We’re In This Love Together”はシングルカットされ、Al Jarreauにとって初の大ヒットとなった曲だが、とてもカントリー系のソングライターが作った曲とは思えない程見事なアメリカン・ポップサウンドに仕上がっている。ここでもJay Graydonのギターが心地よい。” (Round, Round, Round) Blue Rondo A La Turk”は驚異のヴォーカリストたるAl Jarreauの独壇場と言った感じ。7拍子、9拍子、5拍子と目まぐるしく変わる変則リズムに彼のヴォーカルが完璧にからみ、彼ならではのまさに驚異的なヴォーカルが堪能できるのである。

 そして最後を飾る”Teach Me Tonight”は、これ以上のものはないと言って良いロマンティックな歌詞、メロディ、ヴォーカルが三位一体となって、これまた大いに泣ける大名曲である。Lon Priceのサックスソロもロマンティックそのもの。

 とにかく、AORを語る上で絶対に欠かすことができないアルバムでもあり、更にはジャズヴォーカルのベストアルバムの一つとも言える作品となっている。

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