1992年発表の、英国出身の黒人ギタリストRonnie Jordanのデビューアルバム。マイルスの”So What”を、かなりヘビーなリズムトラックに乗せ、本格的なジャズギターを聴かせるという斬新なスタイルがとても印象的で思わず購入した作品である。当時私は、「これがCool Jazzってやつ?」と思い好奇心もあった。
アルバム全体を通して聴いてみても、この系統の音楽らしくクールな打ち込みをバックに、ヒップホップのような現代ポピュラー音楽のエッセンスを織り交ぜながら、ウェス・モンゴメリー?ジョージ・ベンソンあたりを彷彿とさせる演奏が続く。現代的なバックトラックに、きわめて正統派のギターというミスマッチが不思議と来る、そんな作品たちである。
オリジナル曲のタイトル曲、”After Hours (The Antidote)”のようなミッドテンポの曲は非常に都会的でおしゃれ。非常に心地よくて1日の疲れをいやしてくれる、そんな気がする。
これ以降もなかなかかっこいいコンテンポラリージャズ(と言ってもスムーズジャズとは一線を課すのだが)の作品を世に出しているが、それらはまた後日紹介するとしても、”So What”のインパクトの強さを考えれば、まずはお勧めの作品と言えるだろう。