1989年の作品で、Zappとしては5作目になる。本作は、冒頭の”Ooh Baby Baby”がフェードインで入ってきて始まる。いきなりSmokey RobinsonやLinda Ronstadtの大ヒットで知られるバラードから始まるという驚きである。しかもこれがとても美しいバラードに仕上がっている。
2曲目からは中心人物であるRoger Troutmanを中心としたファンクナンバーが続く。当然のことながら、Rogerのギターとトーキングボックスを駆使したエネルギッシュでカッコ良いパフォーマンスである。あいだに元祖オハイオファンクのOhio Playersがオリジナルの “Fire”、バラード”Been This Way Before”をはさみつつ、あくまでファンク攻撃である。ブルースナンバー”Sad-Day Moaning”も織り込みながら、最後の”Jake E. Stanstill”で締める。
ということで、聴く側に体力を使わせるなかなかの力作である。ただ欲を言えば、本作の前後に発表されているRoger Troutmanのソロアルバムにテイストがかなり近くなってしまっている、ということだろうか。音としては好きなのだが、従来聞かせてくれていたZappファミリーとしてのオハイオ直系のグルーヴが余り聞かれず、結果として独特の音作りからかなりポップになってしまってるな、というのが正直な印象である。
なお、本作はRoger、Larryが生存中にリリースされた最後のZapp作品である。
Tracks:
01: Ooh Baby Baby
02: I Play The Talk Box
03: Stop That
04: Fire
05: Been This Way Before
06: Back To Bass-iks
07: Jesse Jackson
08: Ain’t The Thing To Do
09: Sad-day Moaning
10: Rock Star
11: Jake E. Stanstill