
2025年にリリースされたスティーヴン・ビショップの20作目で、本作は彼の最後のスタジオ録音作品となります。
スティーヴン・ビショップも74歳になり、関節炎なども発症しているみたいなので、引退宣言は非常に残念です。1976年にデビュー以来、50年間の活動で一区切りをつけようということなのでしょう。
さて本作品、スティーヴン・ビショップのメロディーメーカーとしての魅力に溢れています。 特にこの曲…と書こうとしましたが、全ての曲が美しいんです。
“Now That I’ve Hit The Big Time” はスティーヴン・ビショップのイメージと少し違うアーシーな曲調ですが、それはエリック・クラプトンによるスライド・ギターが大きく影響していそうです。この曲にはバック・ヴォーカルでスティングも参加。
“Only The Heart Within You” は既発作品の再レコーディングバージョンで、ここではアート・ガーファンクルとリア・カンケルと共演しています。リア・カンケルは2024年に亡くなっているので、存命の時にレコーディングをしていたのでしょうか。
“She’ll Always Be My Girl” はアコースティック・ギター一本で歌われる曲で、グラハム・ナッシュのバック・ヴォーカルが印象的。
と、ここまで書いて気づいた方も多いでしょう。
本作品に参加しているゲストが超豪華なんです。いずれも昔から共演などを通じて馴染みの友人たち。彼らがスティーヴン・ビショップのラスト・アルバムのために集まってくれたのです。
この他にも、アメリカの創設メンバーであるジェリー・ベックリーとデューイ・バネル、マイケル・マクドナルド、クリストファー・クロス、ケニー・ロギンス、デヴィッド・パック、スティーヴ・ガッド、ジミー・ウェッブ、スティーヴ・ポーカロ、などなど。
こういう形で昔からの仲間と作り上げる最後のアルバム、全盛期の声ではないけれど美しいメロディたち。これだけでも最高でしょう。
アルバムの佳境では、彼の大ヒット曲である “It Might Be You” (映画「トッツィー」のテーマ曲)をデイヴ・グルーシンのピアノ一本で歌います。あまりの美しさに惚れ惚れする感じですね。
アルバムの最後は、彼にしては珍しいアップテンポ気味の “Under The Rainbow”。ここではケニー・ロギンス、クリストファー・クロス、マリリン・マーティンがバック・ヴォーカルで参加します。
そして、一番最後には50年間のキャリアで初めてという、アルバムでの本人からの挨拶。 今までのファンの応援に対する感謝を述べている途中に、奥さんから「ゴミ出してきて!」の一言があり切り上げる、なんともユーモラスな時間。そしてバックではジミー・ウェッブによるヒット曲 “On and On” が流れる…というエンディング。これで彼の音楽活動は終わるのか、としみじみ。
最後に素晴らしい作品を残してくれたスティーヴン・ビショップ。まだまだ音楽活動はできそうな気もするのですが、引退ということで仕方ありません。
今までいい音楽を作り続けてくれてありがとうございましたと言いたいです。
Tracks:
01: Now That I’ve Hit The Big Time
02: Only The Heart Within You
03: She’ll Always Be My Girl
04: In The Limelight (Alternate Version)
05: The Money Girl
06: Liz (So In Love With You)
07: Really Wanting You
08: One More Night
09: You Don’t Need My Love
10: It Might Be You (feat. Dave Grusin)
11: Under The Rainbow
12: A Message From Stephen




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