1963年にブルーノートからリリースされた、オルガニスト、ビッグ・ジョン・パットンのソロ第1作目です。
参加メンバーは以下の通り。
Fred Jackson – tenor sax
Harold Vick – tenor sax
Grant Green -guitar
John Patton – organ
Ben Dixon – drums
内容的にはかなりブルース色の強いジャズとなっております。
(ブルース・ジャズというやつですね)
冒頭の “The Silver Meter” は、「ピーター・ガン」みたいな雰囲気のある曲で、ちょっと間の抜けた感じがあって、最初はあれ?という感じになります。これはフレーズがシンプルなロックンロールに近い感じであるのと、本作品ではジョン・パットンがオルガンでベースラインを弾いているんですけど、そのベースラインがこの曲ではとても単純だからではないかなと思います。私はどうしてもベースを中心に聴いてしまう癖がありまして。
でもメンバーの演奏は熱が入っております。グラント・グリーンも大好きなブルースフレーズを弾きまくっております。
その他、”Spiffy Diffy”、”Gee Gee”、”Pig Foots” は個人的にかなり好きなタイプなブルース・ジャズで、ジョン・パットンがソロにバッキングに大活躍。”The Silver Meter” でのちょっと不安な雰囲気を完全に払拭してくれます。もちろん、フレッド・ジャクソンとハロルド・ヴィックのツイン・サックスもグラント・グリーンの硬音ギターも実にエネルギッシュ。ベン・ディクソンのドラムスは目立ったプレイはしないものの「堅実」という言葉が似合うプレイを聴かせてくれます。
1曲飛ばしてしまいましたが、”I’ll Never Be Free” は、本作で唯一メンバーが書いていない曲。この曲は、ブルース・ジャズで溢れた本作の中ではむしろ異色と言えます。
ブルージーでメローな感じが本作では浮き気味ではありますが、清涼剤的に聴ける美しい作品となっています。ジョン・パットンの名演と言っても良いんじゃないかと思います。
Wikipediaによると、原曲はKay Starr & Tennessee Ernie Fordにより1950年に全米ポップチャート3位、カントリーチャート2位まで上昇する大ヒット曲だそうです。
私はジャズにおけるオルガンでは暴れるタイプが好きなので、この作品の、特に後半の曲はかなり聴き応えもあって良いと思いました。
どうしても1曲目の “The Silver Meter” がウーン…という感じではあるんですけど。
Tracks:
01: The Silver Meter
02: I’ll Never Be Free
03: Spiffy Diffy
04: Along Came John
05: Gee Gee
06: Pig Foots
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