Tomy's Music Review

好きなアルバムの簡単なご紹介。

Grover Washington, Jr. / Anthology

2000年に57歳の若さで他界したグローヴァー・ワシントン・ジュニアがエレクトラ・レーベルに残したフュージョン (クロスオーバー) 系の選曲がなされているベストアルバムです。(1985年作品)

グローヴァー・ワシントン・ジュニアはジャズサックス奏者として有名なアーティストではありましたが、何と言っても1980年に発表されたオシャレなジャケット、オシャレなサックスで世界中を魅了したアルバム “Winelight”、そして1981年にビルボード誌で全米第2位まで上がる大ヒットとなったシングル “Just The Two Of Us” が有名です。日本でも邦題「クリスタルの恋人たち」という、今では顔から火が出そうな、時代を感じさせるタイトルで大ヒットし、その後久保田利伸がナオミ・キャンベルと歌った大ヒット曲のオリジナルです。あの、囁きかけるようなサックスのスタイルは、後に多くのサックス奏者を生み、また今にして思えば「スムーズ・ジャズ」と呼ばれる音楽の走りとも言える作品です。

このアルバムは、前述した Winelight とその次のアルバム Come Morning (これも名作)から主に選ばれていまして、この筋の曲で十分気持ち良くなった人たちにはたまらない内容となっております。

全体的には、今で言うスムーズ・ジャズそのものと言ってよいのですが、その一方、冒頭に収録されている “The Best Is Yet To Come” では、世界一のダイナミックヴォーカルを聴かせる歌姫、パティ・ラベルのヴォーカルが実に印象的である。そのヴォーカルにさりげなく絡み合ってくるグローヴァー・ワシントン・ジュニアの演奏。この対比が面白いという味方もありますが、一見単調にさえ聞こえるこのアルバムに大きなアクセントを加えていて、最終的には引き締まったベストアルバムになっていると思います。

Tracks:
01: The Best Is Yet To Come
02: East River Drive
03: Be Mine (Tonight)
04: Can You Dig It
05: In The Name Of Love
06: Just The Two Of Us
07: Jamming
08: Little Black Samba
09: Jet Stream
10: Let It Flow (For “Dr. J”)


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