John Coltrane / Blue Train

1957年に録音されたジョン・コルトレーンの作品です。(リリースは1958年)
コルトレーンと言えば、プレステージやインパルス!での録音が有名ですが、この作品は彼がブルーノートに残した唯一のリーダー作です。1956年頃ブルーノートと契約したコルトレーンは、結局アルバムをリリースすることなくプレステージと契約、プレステージでアルバムをリリースし始めてしまいました。だけどブルーノートとの約束を果たしていなかった彼は、ブルーノートでのアルバムを1枚だけリリースすることにし、メンバーを集めて録音。そして完成したのがこの作品ということになります。
アルバムジャケットも、いかにもフランシス・ウルフらしい、シアンとブラックを貴重にしたブルーノートっぽいものになっています。

メンバーは、
John Coltrane – tenor saxophone
Lee Morgan – trumpet
Curtis Fuller – trombone
Kenny Drew – piano
Paul Chambers – bass
Philly Joe Jones – drums
という布陣。

コルトレーンはコアなファンがたくさんいるので、異論などもたくさんあるかと思いますが、この Blue Train は、コルトレーンの作品の中でも聴きやすい、超正統派ハード・バップな作品だと思っています。特に “Moment’s Notice には私がジャズで好きな要素が大体入っている、個人的には「奇跡的な作品」です。スピード感があってスリリングな曲の展開、その勢いをしっかり支えるフィリー・ジョー・ジョーンズ、流れるようなケニー・ドリューのピアノ、ひたすら吹いて吹いて吹きまくるジョン・コルトレーン、カーティス・フラー、リー・モーガンのホーン、そしてポール・チェンバースのアルコ。いやあたまらんです。メンバーみんなが全てを出し切っているという感じがします。
同様に”Locomotion” の疾走感もいい。

一般的には本アルバムで名曲と言われている “Blue Train” や超有名なフレーズが印象的な “Lazy Bird”、コルトレーンのロマンティックな面が魅力的なバラード “I’m Old Fashioned” が人気曲で、私も好きではあるんですけど、やっぱり冒頭で紹介したスピード感のある曲のほうが好きです。

全般的には、コルトレーンのワンマンショーと言う感じではなく、適度に他のメンバーにもソロを渡していて、その点ではあまりコルトレーンっぽさがない、と言う感じもします。このソロパートのバランスの良さが、聴きやすさの一因なのかも知れません。

ともあれ、コルトレーンがブルーノートに残した唯一の作品は超名盤であるということができると思います。

Tracks:
01: Blue Train
02: Moment’s Notice
03: Locomotion
04: I’m Old Fashioned
05: Lazy Bird
06: Blue Train (alternate take)
07: Laze Bird (alternate take)


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