Kaede / 今の私は変わり続けてあの頃の私でいられてる。

2019年末にリリースされた、NegiccoのメンバーであるKaedeのソロ第2作。前作「深夜。あなたは今日を振り返り、また新しい朝だね。」と同様、長いタイトルの作品です。

全体的な雰囲気は前作と大きく変わらず、凝った音作りはせず、シンプルなサウンドによるポップな内容となっています。ギターを中心にしたバンドサウンドの曲も多く、アイドルポップとは完全に一線を画す音作りです。

冒頭を飾るTRICERATOPSのカバー曲「2020」が収録されていて、これはKaede自身も大ファンということで収録されたのかも知れませんが、見事にKaede色に染められたいい仕上がりになっていると思いました。その他、スカートの澤部渡の作品3曲 (「あの娘が暮らす街(まであとどれくらい)」「スウィート・リグレット」「それもきっとしあわせ」)がなかなか良いです。
これ以外にもKIRINJIの堀込泰行、堂島孝平と言った豪華な作家陣が曲を提供していて、特に昨年シングルとしてリリースされた堂島孝平作の「Remember You」は本当に名曲だと思います。
ただ、Kaedeの作品を全て聴いてきている方には、本作に収められた10曲のうち5曲は過去にシングルなどで既発となっているため、真新しさはあまり感じられないかも知れません。

彼女が所属するNegiccoのコーラスを下からしっかり支えるアルト・ヴォイス。これがKaedeのヴォーカル面からの魅力ですが、この辺もしっかり生かされた、アイドルらしからぬしっかりと落ち着いた内容。かなりアーティスティックな感じですよ。
この感覚にはちょっと既視感を感じてしばらく考えたのですが、1980年代で言うと斉藤由貴の位置だということが分かりました。もちろん声質は違いますけど。

まだまだこれからも彼女の作品には期待していいなと思わせてくれます。

Tracks:
01: 2020
02: あの娘が暮らす街 (まであとどれくらい?)
03: スウィート・リグレット
04: 微弱的流動
05: それもきっとしあわせ
06: 永遠の断片
07: 花束
08: Remember You
09: 夜明けの部屋
10: ただいまの魔法


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です