Le Roux / Last Safe Place

ルイジアナ出身のバンド、ル・ルーの1982年発表のアルバム。この時期はちょうどエア・サプライやクリストファー・クロスと言った、日本でいうAOR (英語的にはAdult Contemporary) が大流行りでした。私の大好きなリトル・リバー・バンドもヒット曲を連発していました。

ル・ルーは、ルイジアナの昔ながらの音楽をロックに融合させたような、ユニークなロックバンドとして一部のコアなファンに知られてはいましたが、そんな彼らが時勢に乗る形で大幅な方向転換をしてAOR的なアプローチに走ったのが、この作品です。

本作からは彼らにとっての一世一代のヒットシングルである “Nobody Said It Was Easy” が生まれた、という点で評価できるでしょう。ビルボードのHot 100で15位まで上がる、彼らにとっては最大のヒット曲となりました。

この曲、典型的な「さわやか系AOR」であり、私はこの曲を聴いて、彼らのメロディーやコーラスワークの美しさに惚れてしまい、アルバム(当時はLP)を入手してかなり聴き込んだものです。
非常に個人的な話になるが、私の高校卒業時(1985年)の卒業アルバムは、アルバムの1/4のエリアに好きなことを書いて良いことになっておりまして、私は上半分に海の彼方から顔をのぞかせている太陽の写真を配し、下半分にはこの曲にある “Looking for the light” (光を探し求めて) というフレーズを拝借して書いています。

ここで紹介した名曲 “Nobody Said It Was Easy” 以外にも、AORファンにはたまらない曲がたくさん詰まっています。
ル・ルーはその後、ロック色の強いアルバムをリリースし、更にその後には元々彼らの持ち味だったルイジアナ系のユニークなロックをやっていて、いまだに現役として頑張っていますが、案外知られていないバンドだと思います。
彼らにとってAORの雰囲気が強いアルバムはこの作品だけですが、是非探して頂き爽やかな気分になってほしいと思います。紛れもなく、隠れた名盤です。

Tracks:
01: Addicted
02: It Doesn’t Matter
03: Nobody Said It Was Easy
04: The Last Safe Place On Earth
05: Inspiration
06: You Know How Those Boys Are
07: Midnight Summer Dream
08: Rock ‘n’ Roll Woman
09: Long Distance Lover
10: Make Believe


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