「Sloppy Joe」の続編と言える、大江千里の2枚目のベストアルバムです。
1994年リリースで、概ね1988年から1993年頃の作品が中心に収録されています。

1枚目のSloppy Joeと比べると良く知られている曲は少なめ。恐らく彼のヒットシングルが少なくなってきたのかなと思います。アルバム全体の流れも、ベスト盤を聞こうとした人にとってはところどろ途切れる感じになるのかもしれません。

しかし、アルバム全体を被う雰囲気は昔とちっとも変わることなく、少しぎこちなく、また初々しい。彼の魅力である、切ない等身大の淡い想い出を綴るような曲は、やっぱり魅力的なのです。
もっとも私は、彼の曲の中でもホーンセクションを多用する曲が結構好きなのですが、そういう意味でもお気に入りの「魚になりたい」を本アルバムの冒頭に入れてくれたのはとにかく嬉しい限りです。この曲の歌詞も、はかない恋を初々しく表現した雰囲気がちょっと懐かしくもあり、いい雰囲気です。

これ以外にも、恐らく彼にとっての最大のヒット曲「格好悪いふられ方」、夏のコンサートでは定番らしい「塩屋」(名曲!)、実はデビュー曲なのに2枚目のベストアルバムに収録された「十人十色」が収められています。

その他のお気に入りは、ちょっと大江千里も道はずれちゃうのかな?とさえ思った異色曲、「おねがい天国」。1980年代のコニー・フランシス “Vacation” か、あるいは海援隊の「JODAN JODAN」か?と言った、ローマ字の連呼がなかなか笑えます。曲はめっちゃ楽しくて、カラオケでよく歌うんですよ。

もう随分前の作品になってしまいましたが、40代前半の私にとっては色褪せることのない、想い出のつまった作品集、というべきかなと思います。
同世代には実にエヴァーグリーンな作品。昔を思い出させてくれる作品となっております。

Tracks:
01: 魚になりたい
02: たわわの果実
03: あいたい
04: APOLLO
05: You
06: 真冬のランドリエ
07: おねがい天国
08: 夏の決心
09: 塩屋
10: 十人十色
11: 格好悪いふられ方
12: 向こうみずな瞳
13: 雪の別れ
14: Dear
15: たとえばもっと
16: Bedtime Stories

投稿者 tomytamura

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