1979年にリリースされたライ・クーダーの8作目のアルバムです。

毎度のことながら、ヒット曲として世に知られるものはほとんどなく、ライ・クーダーのアメリカ音楽に対する造詣の深さを感じるアルバムとなっています。しかもオリジナルに忠実という訳ではなく、彼なりの解釈で仕上げた独特のものとなっています。”Little Sister”を例にあげれば、もともとはエルヴィス・プレスリーのヒット曲として知られていますが、ライのバージョンはゴスペル的要素を中心とした、いかにもアメリカ音楽といった趣に仕上がっています。

カバー曲としては、この他にもアイク&ティナ・ターナーによる1961年のヒット曲 “I Think It’s Going To Work Out Fine” のカバーも収録されています。

アルバム全体を見ても、ジム・ケルトナー、ティム・ドラモンドと言った名うてのミュージシャン達をバックに、彼のアルバムではお馴染みのボビー・キングであるとか、チャカ・カーンといったヴォーカリスト達、そしてもちろんライの卓越したテクニックのギターが絡んでくる。とはいえ、ライ・クーダーのアルバムにしては聴きやすさもあって、意外と一般的に知られたアルバムと言えると思います。

なお、ロック界では有名な話ですが、このアルバムはロックアルバムとしては初のデジタルレコーディングによる作品。そのため、レコーディングされた音については賛否両論あるのですが、一般的には当時の最先端技術とは言え、30年近く経った現在のテクノロジーからすると今一つかな、という気がします。とはいえ、そういった新しいテクノロジーで古き良きアメリカの音楽を録音するというのも、なぜか微笑ましくも感じます。

Tracks:
01: Little Sister
02: Go Home, Girl
03: The Very Thing That Makes You Rich (Make Me Poor)
04: I Think It’s Going To Work Out Fine
05: Down In Hollywood
06: Look At Granny Run Run
07: Trouble, You Can’t Fool Me
08: Don’t Mess Up A Good Thing
09: I Can’t Win

投稿者 tomytamura

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