さかいゆう / 愛の出番 + thanks to

まず、本作は非常にレビューしにくい作品であることをお伝えしておきます。もしかしたら否定的なことを書いてしまうかも知れませんが、どうかご容赦を。

本作品は、2021年1月にLPとダウンロードでリリースされた 「thanks to」という作品と、 同年5月にリリースされた 「愛の出番」という作品を1パッケージにしたものです。とは言っても、2 in 1 という扱いではなくて、2枚あわせて「愛の出番」という作品ということになります。CDでは。
ダウンロードではこの2作品は別々という扱いになっています。
なお、LPでの発売は「thanks to」のみで、「愛の出番」は発売されていません。
最初から申し訳ないのですが、実に、実にわかりにくい販売方法となってます。

中身について話を致しましょう。
全体的には、既発曲のアレンジ・リミックス違いの作品が中心となっていまして、新曲は、私が分かる範囲では「愛の出番」と「嘘で愛して」かな。他の曲は聴いたことがあるような気がします。
私の好み、と言う面で言うと、特に1枚目の「愛の出番」の方は、さかいゆうの最近の作品の中ではかなり好きな作品です。

インディーズ時代 (2000年代の話です)は、黒人音楽に強い影響を受けた、泥臭い雰囲気の曲を得意としていたさかいゆうなのですが、特にここ5-6年の作品は、彼の持つ美しいハイトーンヴォイスとピアノ演奏を核とした、弾き語り的な、バラード的な、とても静かな曲の印象があまりにも強すぎた感がありました。つまり、ちょっと退屈気味という気持ちになっていたのが正直なところです。
それが本作では “Get it together” でのリミックスであったり、「確信MAYBE」でのおかもとえみ (フレンズのヴォーカルでも知られてます) との共演、更に70年代のニール・セダカの名曲 “Laughter In The Rain” のカバーにおけるシティソウルなアレンジなど、思わず音楽に合わせて身体が動いてしまうような曲が中心になっていて、こういうさかいゆうは久し振りだなと思いながら聴いています。

2枚目の「thanks to」の方は比較的静かな展開なのですが、特にインディーズ時代からのレパートリーである「井の頭公園」や「ウシミツビト」、メジャー第1弾シングルだった「ストーリー」は、いずれも曲があまりに素晴らしいものだから色んなアレンジが楽しめる点でよく出来ていると思います。

そろそろ全曲新曲のフルアルバムを聴きたくなってきました。

Tracks:
[Disc 1] (愛の出番)
01: 愛の出番
02: 嘘で愛して (Tell Me A Lie)
03: Get It Together (Blue Lab Beats Remix)
04: 確信 Maybe (feat. おかもとえみ)
05: Laughter In The Rain (Urban Soul Ver.)
06: 大人だからさ (Getting To Love You)
07: Journey
08: セツナアイ (Dreaming of You)
09: Tell Me A Lie

[Disc 2] (thanks to)
01: 崇高な果実
02: His Story
03: ダイヤの指輪
04: 鬼灯 (Live Ver.)
05: BACKSTAY
06: Magic Waltz (A Capella Ver.)
07: 井の頭公園 (Alone Ver.)
08: Hilarious
09: ウシミツビト (molmol ReMix 2021)
10: ストーリー (Grand Street Ver.)


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