八代亜紀のジャズ・ヴォーカルシリーズ第2弾と言える作品 (2017年作品)。
プロデュースは前作「夜のアルバム」に引き続き小西康陽。
本作の印象は前作とはちょっと違います。前作はもう少しジャズヴォーカル然としていたんですが、今回の作品ではもうちょっとディープな雰囲気を増しているように思います。あえてジャンルで言うとブルース的な歌唱の要素とでも言うのでしょうか。
以前書いた「夜のアルバム」のレビューで私は「昭和の時代に赤坂辺りのナイトクラブでブランデーグラスを片手に聴き入っているような感覚」と書いたのですが、ここでは大人でもなかなか入ってはいけないような退廃した裏の場所で、ヒソヒソ話をしてる横で流れているような、危うい雰囲気さえ感じるのです。
収録されている曲は、前作に続きスタンダード曲と昭和の曲とが入り交じった構成。私としては、ネヴィル・ブラザースで聴きまくっていた「フィーヴァー」、レイ・チャールズでおなじみの「旅立てジャック」が洋楽系ではヒット。邦楽系ではやっぱり「夜が明けたら」ですかね。オリジナルの浅川マキと比べてしまうと、あの迫力ではなくしっとりした雰囲気なのですが、アンダーグラウンドな雰囲気がよく出ていて好きです。「涙の太陽」、これはもっと明るいアレンジで聴きたいなと正直思いました。
とにかく、昼間には聴かず、できれば深夜に部屋を真っ暗にして聴き込むのがこの作品の楽しみかなと思います。
Tracks:
01: 帰ってくれたら嬉しいわ
02: フィーヴァー
03: 黒い花びら
04: 涙の太陽
05: 旅立てジャック
06: ワーク・ソング
07: カモナ・マイ・ハウス
08: にくい貴方
09: 恋の特効薬
10: 夜のつづき (赤と青のブルース)
11: 赤と青のブルース
12: 男と女のお話
13: 夜が明けたら
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