2022年9月5日リリース、フォープレイが実質活動休止している現状では、コンテンポラリージャズのスーパーグループと言って良い3人組の同名義では4作目の作品です。
ジャズ・ファンク・ソウルは、ジェフ・ローバー (キーボード)、エヴァレット・ハープ (サックス)、ポール・ジャクソン・ジュニア (ギター) の3人をメンバーとしたユニット。
このユニットが好きなのは、メンバー3人がそれぞれの個性をちゃんと聴かせてくれるところです。私は昔からジェフ・ローバーのファンクな感覚が好きなので、ついジェフ・ローバー中心で聴いてしまうのですが…。
ただ今回は、随所で見られるポール・ジャクソン・ジュニアの流れるようなギタープレイが印象的でした。私にとってはリズムギタリストというイメージが強かったのですが、本作で彼が聴かせるギターソロはとても気持ちよかったと思います。
エヴァレット・ハープのことを書いてませんでしたが、彼のプレイ、私には派手さのない堅実なプレイに聴こえるのですが、そこが魅力でもあります。主旋律をしっかりとこなしつつ、とにかく前に出たい (!!) ジェフ・ローバーをしっかりと支えているなあという印象です。地味めなのですが、良い働きを知ているという感じでしょうか。
ジャズ・ファンク・ソウルの作品は、全体的にジェフ・ローバーのアルバムに近い感じがあります。冒頭でスーパーグループと書きましたが、ジェフ・ローバーのユニットでの活動に近いのが実際のところ。曲調は、悪くいえばワンパターンということもできますが、彼の形がカチッと固まっているので、あまりに雰囲気の違う作品が出るということはないですね。
それぞれの曲が心地よく聴こえ心躍るから、どんな作品でも気持ちよく聴き込めるというのが魅力でしょう。
本作もご多分にもれずそんな印象があります。本アルバム個々の曲についてあまり詳しくは書きませんが、個人的に気持ちが高揚したのは、好きな人には一発でわかるマーカス・ミラーのベースから始まる Funkin’ In AZ でした。この曲では、メンバー皆がマーカス・ミラーのノリに引っ張られるような、そんな雰囲気を感じます。エヴァレット・ハープのプレイはまるで80-90年代のデヴィッド・サンボーンと錯覚しそうです。
必聴といえば、アルバムの最後を飾る “CSL”。ジャズ・ファンク・ソウルのオリジナルメンバーで、2017年に他界したギタリスト、チャック・ローブに捧げる曲になっているようです。後任のギタリストであるポール・ジャクソン・ジュニアもちょっとチャック・ローブ風のフレーズを聴かせてくれたりして、ユニット活動当初の作品を思い出してしまいました。
Tracks:
01: Hustle
02: Keep Holding on
03: Funkin’ in Az
04: Forecast
05: Bouncing Back
06: Fish Grease
07: Count Me in
08: When the Time Comes
09: Hidden in Plain Sight
10: CSL (For Charles Samuel Loeb)
コメントを残す